よくあるご質問
パッシブ換気の定義
- 「パッシブ換気」の定義を教えて下さい。
- 建物内外の温度差、つまり室内の暖かく軽い空気が上昇する力を換気の主たる動力源とする「計画自然換気」です。
- パッシブ換気とはなんですか?
- パッシブとは受動的=機械を基本としないという意味で、現在一般的な機械設備を用いるアクティブ=能動的換気の弊害を補って余りある大変優れた換気手法です。
パッシブ換気は建物そのものが装置となり暖房された室内と室外の温度差を動力とした自然エネルギーを利用するので機械を使いません。換気量に揺らぎはありますが換気不足になることはほとんどありません。
- パッシブ換気に必要な事は何ですか?
- 建物の高い断熱性能と気密性能、室内で空気の循環がし易い計画、1階の床下への外気導入と床下暖房、煙突による排気、給気の予熱とデマンド制御。
パッシブ換気の特質
- パッシブ換気のメリットはなんですか?
- 暖房と換気が同じ回路で循環するため気流感やホコリの拡散も少なくとても高い快適性が得られます。
また機械換気と違い壊れるところがなく電気代もメンテナンスも不要です。
- デメリットはありますか?
- パッシブ換気は、自然エネルギーという微弱なエネルギーを活用しています。機械的に行う強いエネルギーとは違い、その微弱なエネルギーを活用するためには、住まい手がアクティブである必要があります。逆に自然エネルギーを楽しんで下さい。
- パッシブ換気は、快適に暮らせますか?
- 必要条件として高性能な住宅となるので、もちろん快適で健康に暮らせます。また機械の様な強いエネルギーではないので気流感やファンの音も無く、住む人に優しい技術です。そして機械に頼らないパッシブ技術は、壊れることがなくランニングコストもかからないのでお財布も快適です。
- 全館空調とパッシブ換気の違いは何でしょうか?(お客様に説明する場合)
- 全館空調は機械を使って換気と空調を行いますが、パッシブ換気は建物そのものが装置となり、暖房と換気が同じ回路で循環します。そのため、気流感やホコリの拡散も少なく、とても高い快適性が得られます。また機械換気と違い、壊れるところがなく電気代も不要。そして空調に使用する設備は特別な物ではなく、市販のエアコン一台で暖房ができるので、イニシャルコストも抑えられ壊れた時も更新が容易です。またメンテナンスも不要です。
- デマンド制御とは何ですか?何故デマンド制御が必要なのですか?
- 「在室時には換気量を増やし」「不在時には絞る」といった制御の事をデマンド制御と言います。通常の換気は、住い手の不在時にも貴重な熱を捨て続けてしまいますが、こうしたデマンド制御をすることで省エネが図れ、新鮮空気の床下供給時の冷やされすぎを防ぎます。
- 何故デマンド制御に湿度を使用するのですか?
- 生活と湿気の関係は、「じめじめ」や「結露」といった目に見えてわかりやすい事象からわかるように、密接な関係があるからです。
- 冬・夏それぞれの過ごし易さはどうですか?
- 冬:家中の温度差が少なく、建物そのものが温まるので大変快適です。
夏はパッシブデザインを活用した工夫で、使用エネルギーを大きく減らせ自然の涼しさを活用した暮らしが実現できます。
パッシブ換気の地域要件
- パッシブ換気を使用できない地域はありますか?
- 沖縄地方以外は蒸暑地域も含めて活用できます。
パッシブ換気の計画要件
- パッシブ換気を採用すると、間取りに制限はありますか?
- パッシブ換気は建物そのものが装置となり、換気と暖房を同じ回路で循環させる為、換気と暖気が循環しやすい「オープンな間取り」で「コンパクトな住宅」に最適です。
パッシブ換気の躯体性能要件
- 断熱材はどのような物を使うのですか?
- 断熱材の指定はありませんが高い断熱性能が必要です。最低でも、断熱性能として熱損失係数Q値が1.9W/m2K以下、気密性能C値が1cm/㎡以下になるような仕様と、正しい断熱施工が出来る事が条件です。
- 気密について教えて下さい。
- 微弱なエネルギーである自然エネルギーを活用したパッシブ換気を有効に働かせるためには、その建物外部の影響を受けないように高い気密性能が要求されます。
パッシブ換気の運用上の工夫
- パッシブ換気は24時間換気になりますか?
- パッシブ換気は、夏を中心とした温度差がない時期は、風の力が中心となるので働きが弱くなります。
従ってその時期は、機械換気を併用して換気をする必要がありますので、通常通り24時間換気を設置する必要があります。
パッシブ換気の温湿度性能
- パッシブ換気だと結露は大丈夫ですか?
- 常に家全体がくまなく換気されるので、結露やカビのない環境が得られます。
- 床下空間に直接外気を取り込んでも大丈夫ですか?(温度が下がり危険ではありませんか?)
- 給気予熱とデマンド制御により換気量を必要最低限に抑えます。そして取り込まれた外気に、室内の循環空気をプラスして供給されるので大丈夫です。
パッシブ換気のエネルギー性能
- 自然任せの成り行き換気では、暖かい空気の垂れ流しでエネルギーロスではないですか?
- デマンド制御で無駄な換気を防ぎますので、従来の家より省エネになります。また換気による動力エネルギーがかからないので更に省エネです。
パッシブ換気のコスト
- パッシブ換気を採用すると費用はどれ位高くなりますか?
- 高い建物性能が必要なのでその分の費用はアップしますが、パッシブ換気としての費用UPは僅かです。
パッシブ換気の維持管理
- パッシブ換気はメンテナンスが必要ですか?お手入れは大変でしょうか?
- 給気口や排気口の汚れを掃除する程度で、その他のメンテナンスは一切ありません。また壊れるところがないので維持費用もかかりません。