熱交換換気と第三種換気の省エネ比較
一般的に省エネと言われている熱交換換気システムですが、その運転にはファン動力=電力消費を伴うため必ずしも省エネになるとは限りません。
省エネルギー基準の計算プログラムを用いて、「熱交換換気」と「第三種換気」の省エネルギー効果について、全館連続暖冷房運転と居室間欠暖冷房運転で検証した結果です。
一次エネルギー消費量を熱交換換気 vs 第三種換気で比較
代表都市 | 旭川帯広 | 札幌 | 盛岡 | 長野 | 宇都宮 | 東京 大阪 名古屋 |
高知 宮崎 |
那覇 |
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全館冷暖房 | -20% | -20% | -14% | -10% | -8% | -5% | 5% | 5% |
居室間欠暖房 | – | – | -9% | -5% | 0% | 4% | 14% | 17% |
熱交換換気は、寒冷地で全館連続冷暖房を行う場合には優位ですが、温暖地(関東以西)で居室間欠暖房の場合は(熱交換の恩恵を得にくい地域)熱交換換気を使用するとかえって増エネになっています。
また熱交換換気にはフィルターのメンテナンスが重要で住まい手へかかる負担に理解が必要です。
ただし、熱交換換気には省エネ以外の目的である「給気の予熱=快適性の向上」という目的や、新鮮な空気の確実な供給が可能という特性もあるため、目的に合わせて選択することが大切です。