高気密・高断熱/環境共生/木材の腐朽
高気密・高断熱
北海道のような寒冷地ばかりでなく、関東以西の温暖地でも最近注目を集めています。高断熱・高気密住宅とは断熱化住宅の最高レベルのものと考えればいいでしょう。性能的には住宅の断熱性が熱損失係数で1.6W/m2K程度、気密性が相当隙間面積で2c㎡/㎡(通常5c㎡以下を=気密住宅という)以下の建物をいいます。熱損失係数とは、室内外の温度差が1℃のとき建物内から外気に逃げる熱の合計(W/h)を延床面積(㎡) で割ったもので、建物の断熱性(単位 : W/m2K)を表します。相当隙間面積とは、建物中のいろいろの隙間からの漏気量を求め、その流量があたかも一つにまとまった開口部からであると仮定してその面積(c㎡)を求め、延床面積(㎡)で除したものです。隙間が多ければ相当隙間面積も大きくなります。
環境共生住宅
環境共生住宅とは、少し難しい言い方になりますが「人工的な技術を見直して外の環境の快適さを積極的に取り入れようとする住宅」というように言われています。住宅が建っている周りの環境を生かし、太陽などの自然エネルギーを利用した快適な環境の家づくり、地球環境にダメージを与えないような住まいということになるでしょうか。地球温暖化が問題となっている今日、住まい方も一人ひとりのライフスタイルが問われようとしています。
木材の腐朽
木材は通常14%以下(乾燥すれば10%程度)の水分を含んでいます。しかし、含水率が繊維飽和点といわれる28%前後になると、自由水(普通の水)が材料中に生じます。この水分により腐朽菌が繁殖し、木材を腐らせます。日本の夏は高温多湿で温度が20~30℃、湿度は90%にも達します。しかし、この状態と平衡する木材の含水率は22%未満ですので、高温多湿であっても腐朽菌が繁殖する条件にはなりません。つまり木材は自然状態では腐らない、含水の管理が適切であれば、本来非常に耐久性の高い材料といえるのです。
断熱・気密・換気はバランスが大切
機械換気
住宅を断熱化しても建物の気密性を高めないと断熱化の効果が半減します。いわば、断熱化と気密化は表裏一体。しかし、気密性を高めると室内の空気汚染が心配になります。人間が快適に生活するためには、室内の空気が1時間当り半分程度新鮮な外気を取り入れる必要があるといわれています。そこで、断熱・気密化した住宅で大切な事は、換気をどのようにどれだけ(計画的に)取り入れるかということになります。この解決策が計画換気。反対に隙間の多い住宅では、風や温度に影響され無駄な換気がたくさんあっても、本当に必要な計画換気はできません。快適で健康的、省エネルギー住宅では断熱・気密・換気のバランスを図ることが重要になります。
排気用ファンを常時運転して室内の汚れた空気を屋外へ排出します。新鮮空気は各室の吸入口からとりれます。給気と排気を同時に行う省エネルギー型の熱交換型換気ファンもあります。