換気の目安となる代表的な指標は二酸化炭素(CO2)、湿度の2つが挙げられます。
CO2センサー、および湿度センサーを使用した換気のデマンドコントロールのメリットとデメリットはそれぞれ以下の通りです。
CO2センサー
メリット
人の呼吸によって発生する二酸化炭素の濃度変化をリアルタイムに検知できます。これにより、人口密度や室内活動レベルに合わせて換気量を調節できます。
そのため、特に同じ空間に人が密集しやすいビルや商業施設では有効に働きます。
デメリット
CO2センサーは人の存在による二酸化炭素濃度の増加を検知します。
そのため、住宅によくある「人がいなくても結露やカビの原因となる湿度だけが上昇する状況(浴室、キッチンなど)」には対応できません。
またCO2センサーは電子機器で高価かつ故障リスクがあるため、住宅レベルでは費用回収が難しいです。
湿度センサー
メリット
高湿度の状態ではカビやダニの発生リスクが高まりますし、低湿度の状態では過乾燥で快適性が低下しウィルス感染のリスクも高まります。
湿度センサーによる自動調節ではこれを適切な湿度に維持できます。
また、住宅においては湿度とCO2濃度は比例関係にあり、湿度が上昇しないでCO2濃度だけ上昇する状況がほとんどないことがわかっています。
そして、湿度センサーも劣化しにくいナイロンリボンタイプを採用すれば、これは電気信号ではなく湿度でリボンが伸縮するという
物性値を利用したセンサーのため、非常に長持ちし価格も抑えることもできます。
デメリット
ビルや商業施設などの同じ空間に大勢の人が瞬間的に集まるような状況ではCO2濃度の上昇速度が湿度の上昇速度を
上回るので、デマンドコントロールがうまく効かない場合があります。
建物の特性によってデマンドコントロールに有効なセンサーは変わっていきます。
適切なセンサーを選択することにより、効率的な換気が可能となり省エネ性能を向上することができます。