旧荒谷邸~33年前の北海道パッシブハウス~
断熱屋のぼやき
先日、北海道で建材のキムラさんの展示会に出展してきました。その展示会の後、縁あって旧荒谷邸を♪見学する機会を頂きました。
荒谷先生は北海道大学名誉教授で北海道において建築環境に関して第一人者の先生です。
現在活躍されている先生の多くは荒谷先生の教え子というすごい先生です。
この家は32年前に荒谷先生が自宅として建設した高性能住宅で、現在でも十分通用する性能を持ち、北海道のパッシブハウスとして注目を浴びています。
ブロック造で外断熱(250㎜)、手作りでLow-Eガラスをトリプルで作った木製窓等を使い
冬は南面の大きな窓から日射を取り込み、夏は当然日射遮蔽と小屋裏に設けた排気窓を開けることで通風もしっかりデザインされていました。
しかしなんといってもブロックの蓄熱がよく機能しているのがとてもよくわかります。
この玄関入ってすぐの土間は、ここで雪を落とすことで加湿器になるとのこと。
32年前に手作りで2重玄関扉になっておりしかも断熱戸になっているとのこと
このとき説明してくれたタギさん(現在ここにお住まいの環境コンサルタント)の話で興味深かったのは、、「熱交換率90%以上の換気を「排気の温度が低くて凍っちゃうよ」という一言でした。熱交換効率が高くなると排気温度が外気に近づくことで室内から出た湿気が出口で凍ってしまうのだそうです。よく考えてみればその通りと新しい発見とともに熱交換換気のむずかしさの一端を再発見してしまいました。