建築環境工学 産学協働サロン
断熱屋のぼやき
今週、東大・早大・理科大の3大学連携で行われた建築環境工学 産学協働サロンの発表に参加してきました。
プログラムは
東京大学 「研究と設計の架け橋」 「空間構成要素に着目した暗い空間の特性に関する研究」 「大学建物における空調システム運用実態と改善」
早稲田大学 「床面との接触を考慮した暖房時の熱的快適性」 「タスク・アンビエント対応膜放射冷房システムに関する研究」 「模擬咳気流発生装置を用いた感染防止対策手法の検討」
東京理科大学 「建築外皮の高性能化が室内環境および熱負荷に及ぼす効果に関する研究」堤 裕樹 「昼光利用と日射遮蔽制御」 「開口部の高遮熱化に伴う屋内外への熱的影響」
の9題でした。
その中で興味深かったのは理科大の3題でビル向けにはなりますが、日射遮蔽や窓性能の向上による省エネルギーの効果についての発表が興味深い内容でした。 また特に面白かったのは東大の前先生の研究室で行った「研究と設計の架け橋」でした。 これは環境省のエコハウスモデル事業の実証研究についての発表で、単純に光熱費だけを評価するのではなく、設計者へのヒアリングにも重点を置いていて、地域による違いやエコに対する様々な視点もきちんと拾っていて、今パッシブとかエコハウスとか言葉だけが独り歩きしていますが、様々な観点からみた事例としてまとめられていてとてもいい研究だと思いました。 またヒアリングを受ける設計者も、学生が行っているということで普段では出てこない面もきっと拾えているのではないかと思います。こういった検証を行うことはこれからのエコハウス(パッシブハウスも同じ)の考え方に多様性を持たせるうえで大切なことでだと思います。弊社も携わった都留のモデルも含まれており、最終的な取りまとめが楽しみです。