JBN北米住宅産業研修ツアー⑤
いよいよ最終日の5日目です。
「住宅格付価格評価と中古住宅の販売実態」
PRIORITY APPRASIGの住宅格付評価士のKento Hirata氏からAppraisal(評価価値基準)について講義。
中古住宅の売買の際には、その住宅の査定が必要となり、その査定をするにはライセンスが必要。
査定の作業には、SAVING&LOAN CLICESという基準を利用する。これは2年ごとに改定。
査定は、まず現物の調査(サイズ、構造、状況)を行い、次に物件の近所の類似物件を調べます。過去3ヶ月以内に取引された2物件、過去6ヶ月以内に取引された2物件、現在売り出し中の2物件の合計6物件を比較して、物件の価格を決めるとのこと。近所にそれだけの中古売買があるということがアメリカの住宅事情を物語っています。(しかも同じような比較できる住宅が・・・)
アメリカで売買される中古住宅の価格内訳として土地が価格に占める割合はとても低く、ポートトランド近郊の場合70万ドルの家で10万ドル程度とのこと。中古物件の価格は建物の価格でほとんど決まるそうです。
査定の実際の方法、実態をお伺いし、家の価格というものが、「構造」、「材料」、「工法」、「デザイン」などによって決まるのでなく、「過去の取引価格」で決まっているのが実態。日本の場合の一戸建ての中古物件売買は、建物の評価が著しく低く、土地の価格で決まるので、アメリカとはまったく違います。アメリカの住宅は、構造も、作り方も、デザインもほとんど同じものばかりなので、このような評価方法が成り立つこともよくわかる。
「中古物件の販売方法」
大手不動産業者のJohn DeCosta氏の講演。
John氏はKeller Williamsというアメリカで3,4番目の大きさの不動産会社で働いています。とはいっても、実態は会社の場所を借りて、チームで動いている個人事業主。32年間不動産業界にいて、年間に100棟売っているとのこと。(日本で言う保険屋さんみたいですね) 手数料は1000ドル~6%(6%の場合全てのサービスを含む)くらいとの事です
昨日の講義で話に出ましたが、中古売買情報や地区毎の大体の参考価格といった不動産情報が蓄積されています。
そして売り手には、Disclosure(ディスクロージャー)という情報開示が義務付けられており、チックリストに「YES]「NO」「I don’t Know」の3つを答える必要がある。知っているのに知らないふりをして、雨漏りなどを隠して後でばれると訴えられることになる。
また、ゾーニングというルールについて説明があり興味を引きました。街の中をゾーニングといって敷地面積を規定することにより、価格帯や敷地広さなどで、住人の質がほとんど同じようになるようにする事です。そうすることで、収入が同じ位の人が同じ地域に住むように仕組まれているという訳です。結果としてその土地の価値が保たれるような仕組みに自然となっている点が優れています。
以上で全日程終了です。