フランス展示会&MSデマンド換気システム視察ツアーアテンド③
2日目の視察です。
まずは昨日の展示会場へ行き、そこに出展しているCSTBの特別講義を受けました。
CSTBの役割や概要の説明があり、フランスの省エネ基準についてレクチャーがありました。街としてのエネルギーについての研究も進んでおり、モビリティーといったアクセスや移動に関わるエネルギーまで評価されていました。また、再生可能エネルギーについて、自分の屋根に載せる以外、いわゆる投資のような形で権利を得た事がきちんと評価がされているそうです。進んでいますね。日本では現在自分の屋根や敷地に載せる事でしかゼロエネルギーハウスとしての評価をもらえませんが、このような評価があって然るべしと思っていたので、実際に評価されていることを知り日本でも早く実行されることを期待したいです。
午後はアエレコ社視察。
広報担当責任者のジャン・リック・サバンさんが対応。
まず最初にアエレコ社の成り立ちについて説明。
元々CSTBの研究者が設立し「常に市場に存在しないものを開発する」という方針で現在に至りイノベーションを続けている。
その中心技術となっているのが現在のMSデマンド換気システムである。
気密性能が高まった現代の住宅には換気が必要不可欠であるが、換気をするということは折角の暖房エネルギーを外に捨てることにほかならない。MSデマンド換気システムとは、その無駄に行われている換気を省くために必要なだけの換気が行えるように換気量のコントロールを行うシステムである。
その制御にアエレコ社は湿度に着目をして湿度センサーによってコントロールを行う事を考えた。湿度は生活の量(=空気の汚れ)を示す最適な指標で二酸化炭素濃度よりも優位である。何故ならば人間の活動は当然二酸化炭素を排出するが、生活の場面では、調理、入浴、洗濯等といった二酸化炭素よりも湿気を排出する場面が多く存在する。この湿気ならば、例えば痩せた人と太った人、子供か大人、運動している人本を読んでいる人等、様々な状況を把握ができる優秀な指標なのです。
このデマンド制御によって換気によって発生するエネルギーロスを20〜50%抑える究極(笑)の換気システムとなっている。またエネルギーだけでなく、冬場に適度な湿気をとどめておく事も可能となっており室内環境の向上にも役立っている。
レクチャーの後、工場を視察。
デマンドの原理は電気も使わずとてもシンプルで壊れない構造であるが、その技術の心臓であるセンサー部=リボンの製造工程や品質は徹底的に管理され、かなりの手間が掛けられている。製造時の部屋の温度湿度も厳格に管理されており、製造された後、5日間エイジングという湿度と温度を変化させてなじませ、再調整されてようやくセンサー部の完成となる。
参加頂いた方々もかなり興味を持って頂き、換気について再考する機会となったようで、喜んで頂くことができました。とても充実した良い視察となりました。