レンジフードでできる気密測定器「シーチア」の販売開始のお知らせ
手軽さを重視した「レンジフードでできる気密測定器」シーチア
2月9日にこれまでになかった新しいタイプの気密測定機「シーチア」を発売します(受注生産)。ものつくり大学の松岡大介教授発案により生まれたもので、キッチンのレンジフードに取り付けるだけで測定が可能となる気密測定器です。機器など必要な荷物が多く持ち運びが重い、一人では設置に手間がかかる、機械の初期投資がかかるなど、これまでの気密測定の課題を解決し、その手間を大幅に軽減可能です。
レンジフードに測定器がついたビニールのフードカバーをマグネットや養生テープで取り付けるだけで済み、設置時間は従来の約3分の1以下。重量は1~2kg程度、総重量7kg程度でバッグ一つに納まるコンパクトさです。また、測定にはスマホの専用アプリを使い、画面の指示通りに建物情報や測定数値を入力するとC値や通気率などが表示されるので簡単に測定が可能。「初心者でも扱えるように簡単に、しかし漏れがないように」と工夫しました。価格は49万8000円と従来品の約半分以下であることも大きなポイントです。
「シーチア」はレンジフードの弱・中・強の切り替えボタンにより3点の測定を行うことで簡易測定を可能としていますが、JISでは5点測定を求めており、そのままでは公的な数値にはなりません。しかし、これまでに検証した測定でデータを分析した所、十分な測定結果が得られていることを確認しています。
しかし、レンジフードの吸い込み口の大きさを目張りで調整することで5点以上のデータを測定すればJISへの対応も可能です。
これから気密測定に取り組もうとしているビルダー、全棟検査を訴求しようとしているビルダー様に最適です。また、リノベーションで断熱・気密改修を行う際、気密工事をしながら測定して効果を確認する事が可能など、“手軽さ”を生かした使い方が可能です。
「シーチア」は、住宅の気密と気密測定をもっと一般的に広げるということを目的にC値の厳密な測定よりも“手軽さ”を重視しています。HEAT20の躯体WG主査も務める松岡大介教授は「今後、気密をしっかりと取り、それを測定で証明することは当たり前となるだろう」と語り、それはC値の数値そのものを競うためではなく「気密をちゃんと確認して引き渡すということ」が重要なのではと指摘しています。測定により確認することが当たり前になる世の中にするために、手軽な簡易測定器の開発が役に立てばうれしいかぎりです。
(2024/02/05)